芸術祭を巡る

作家さんによる作品説明

少し前に芸術祭を巡る活動を行いました。当方は地域防災分野を担当しておりますが、自身では作家活動を行っています。地域防災もそもそも「より良いくらしづくりの醸成」こそが基盤であり、その文脈からもゼミ生とともに芸術祭と地域の関係性について調査してきました。今回は、生活意匠分野であり作家でもある 田中先生にもお手伝いいただきました。

まず最初に訪れたのは、群馬県で行われていた中之条ビエンナーレです。こちらは、9回目と続く芸術祭です。地域の廃校利用の様子や、制作された作品、制作風景などを拝見しました。

中之条ビエンナーレ実行委員長 人見さん

当日は、芸術祭実行委員長である人見さん(当方の作家仲間です)にご案内いただき、制作意図や、地域と作家の関係性、芸術祭の継続性について伺いました。今年は前回コロナ禍で順延していたこともあり来場する方が特に多いとのことでした。回を重ねるごとに、地域とのつながり方が濃くなってきたような印象を受けました。

研究室で出展している作品も。

廃校活用された展示空間

中之条のエリアは、主に廃校活用を中心とした拠点をもとにアートの展示空間として様々な施設活用を行っていました。

続いて、トンネルを抜けて新潟県へ。

続いて、新潟県十日町を中心に開かれている越後妻有トリエンナーレの会場施設を田中先生アテンドのもと巡りました。大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレは来年開催です。

越後妻有里山現代美術館 MonET (設計:原広司)
絵本と木の実の美術館(廃校活用)
豪雪地帯らしい建築

こちらは地域との創造をする芸術祭が展開する最初のものとして、有名で2000年より実施しています。スタートが異なること、地域も異なることもあり、中之条ビエンナーレとはまた地域との向き合い方、距離感の違いなどを感じられたと思います。

まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」(設計: MVRDV)

2カ所の地域をみてみると、地域の方がアートをきっかけに地域の魅力、市民力のようなものを醸成されている様子が伺えました。また、中之条町と十日町は山で隔てた2つの地域であり、まさに「山のむこうがわ」という雰囲気で、生業も風土も建築も食も似ている様で異なる場でした。これらは、仙台と山形にも通ずるものがありますね。
今回の調査を通して、研究的にも自身の作家活動にも新たな視座を得ることができました。

田中先生ありがとうございました。

これからも丁寧に地域を見つめて参ります。

地域防災分野 畠山研究室