弥治郎こけし村と土湯温泉フィールドワーク

6月8日(日)に「くらしのデザイン実習Ⅱ」の学外研修として、宮城県白石市の弥治郎こけし村と福島県福島市の土湯温泉でフィールドワークを行いました。

こけしは、江戸時代末期頃に東北地方の木地師によってつくられたのが始まりといわれています。現在、宮城県内では鳴子、作並、遠刈田、肘折、そして今回訪ねた弥治郎の5系統が「宮城伝統こけし」として国の伝統的工芸品に指定されています。

弥治郎こけし村は、昨年度に引き続いての訪問です。こけし工人(作り手)の新山吉紀さんより、こけしの歴史や制作方法についてお話いただいたあと、館内を見学しました。展示エリアでは東北各地のこけしや、こけしづくりに使う道具が紹介されており、こけしについて理解を深めることができました。また、中庭にある工房では実際に工人さんがこけしやコマをつくる様子を見学させていただくこともできました。

福島市の土湯温泉は平成11(1999)年に国民保養温泉地にも指定された温泉街です。こけしは温泉と強い結びつきがあり、古くから湯治客の土産品として親しまれてきました。土湯の温泉街を歩くと、こけしの工房や販売店のほか、随所にこけしを表した看板やオブジェがあり、こけしが街の空間を構成する重要な要素となっていることが感じられました。
また、フィールドワーク当日はちょうど年に一度の「土湯こけし祭り」が開催されていました。会場ではこけし販売やろくろの実演が行われ、各地のこけし工人さんからお話をうかがうこともできました。

今回こけしをキーワードに2つの場所を訪ねました。こけしが育まれてきた環境や、作り手である工人さんらに触れることで、こけしの歴史や現状、そして魅力を深く知る機会となりました。

非常勤助手

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