カーナビゲーションシステムにおけるユーザビリティに関する研究
谷本 龍
カーナビの従来の道路案内のみならず、交通渋滞情報の表示、インターネットヘの接続、TV・DVD・CD・MDなどのAVコントロールなど、多様化の一途をたどっており、そこで扱う情報の複数化は避けられない。その複雑化さ故に多くの機能が生かされない、ユーザーが使い切れないのが現状である。それを最小限に抑えるためには画面構成のみならず、ボタンの認知性、操作性などの人間工学的要素の検討が欠かせないといえる。本研究ではカーナビのメニュー画面について、実験や調査を通して問題点を抽出する。更に人間工学的視点より、使いやすさと操作性に重点をおいたメニュー画面設計を行う。
研究の方法は、タスク実験・アンケート調査・比較実験を行い、様々な角度からメニュー画面における問題を抽出する。抽出した問題点の改善案を考察する。抽出した問題点より、シミュレーションモデルを作成。作成したモデルの評価分析実験を行う。問題点を分析し、改良を繰り返す。
メニュー画面における問題点の抽出
一画面あたりの情報量が多い。画面構成、階層構造が複雑である。ボタン、文字が小さい、コントラストが弱い。使われている用語の意味がわかりにくい。ジャンル分類がイメージと一致しにくい。以上の問題が抽出された。
シミュレーションモデルの作成
コンセプトをシンプルな画像デザイン、見やすい大きな文字とし、操作フィールのよいタッチバネルでの入力を採用して、人間工学的視点より押しやすいボタンを考察する。
メニュー画面
カーナビの多機能化が進み、車内におけるマルチコントロールシステムの役割を持ちつつあることを踏まえ、現状の「カーナビで色々なコントロールができる」という概念ではなく、「コントロールシステムの中のカーナビ機能」という概念でシステムのメニュー画面のデザインを行った。
提案したモデルではボタンの大きさを大きくすることで操作性を向上させることができた。また、画面の簡素化によりタスク達成時間を短縮することができた。